eco検定(環境社会検定試験)の出題範囲のうち「生物多様性と自然環境」に当たる練習問題を、解説と出典つきでまとめています。 答えを見る前に自分で考えたい場合は、解答形式の練習問題から解いてください。
問1
生物多様性条約が定める「3つのレベルの多様性」として正しい組み合わせはどれか。
正解: C. 生態系の多様性・種の多様性・遺伝子の多様性
生物多様性条約では、生態系の多様性(森林・湖沼など様々な環境)・種の多様性(様々な生物種)・遺伝子の多様性(同じ種でも異なる遺伝情報を持つ個体差)の3つのレベルで多様性を捉える。
出典: 環境省「生物多様性とは」等の公開情報 https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h08/10009.html
問2
2022年12月にカナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された新たな世界目標はどれか。
正解: D. 昆明・モントリオール生物多様性枠組
昆明・モントリオール生物多様性枠組は、2022年12月にカナダ・モントリオールで開催されたCOP15第二部で採択された、2010年の愛知目標の後継となる2030年までの世界目標である。
出典: 環境省「昆明・モントリオール生物多様性枠組」 https://www.env.go.jp/nature/biodiversity/kmgbf.html
問3
昆明・モントリオール生物多様性枠組に位置づけられた「30by30目標」の内容として正しいものはどれか。
正解: B. 2030年までに陸域と海域の30%以上を保全する
30by30目標は、2030年までに陸域と海域の30%以上を保全することを目指す行動目標で、昆明・モントリオール生物多様性枠組に位置づけられている。日本も2022年4月に「30by30ロードマップ」を策定し、OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)を「自然共生サイト」として認定する取り組みを進めている。
出典: 環境省「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に関する公開情報(例: 東京海上ディーアール「昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択されました」 https://www.tokio-dr.jp/publication/column/080.html)
問4
2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された「愛知目標」の説明として正しいものはどれか。
正解: E. 2020年までに生物多様性の損失を止めるための緊急かつ効果的な行動をとることを掲げた20の個別目標
愛知目標は、2010年10月に名古屋市で開催されたCOP10で採択された「生物多様性戦略計画2011-2020」の中核をなす世界目標で、2020年までに生物多様性の損失を止めるための緊急かつ効果的な行動をとることをミッションとし、20の個別目標で構成される。
出典: WWFジャパン「愛知目標(愛知ターゲット)について」 https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2205.html
問5
「名古屋議定書」の目的として正しいものはどれか。
正解: A. 遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(ABS)を確保すること
名古屋議定書は、2010年10月に名古屋市で開催されたCOP10で採択された国際文書で、遺伝資源へのアクセスとその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分(ABS:Access and Benefit Sharing)の実施を確保することを目的とする。日本は2017年8月に締結した。
出典: 環境省「名古屋議定書について」 https://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/
問6
日本の「外来生物法」の規制内容として正しいものはどれか。
正解: E. 生態系等に被害を及ぼす「特定外来生物」に指定した生物の輸入・飼養・栽培・運搬等を規制する
外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)は、生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼす海外起源の外来種を「特定外来生物」に指定し、その輸入・飼養・栽培・運搬・譲渡等を規制するとともに、国等による防除の措置を定めている。
出典: 環境省「どんな法律なの?(外来生物法)」 https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/outline.html
問7
環境省の「レッドリスト」の説明として正しいものはどれか。
正解: A. 専門家が生物学的観点から評価した、絶滅のおそれのある野生生物の種のリストで、捕獲規制等の直接的な法的効力は生じない
環境省レッドリストは、専門家で構成される検討会が生物学的観点から種の絶滅の危険度を評価してまとめたもので、それ自体は捕獲規制等の直接的な法的効力を生むものではないが、環境アセスメント等の基礎資料として活用され、掲載種のうち保護優先度が高い種は種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定されることがある。
出典: 環境省「レッドリスト・レッドデータブック」 https://www.env.go.jp/nature/kisho/hozen/redlist/index.html
問8
「IPBES」の説明として正しいものはどれか。
正解: A. 生物多様性及び生態系サービスに関する科学的評価を行う政府間組織で、「生物多様性版IPCC」とも呼ばれる
IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム)は2012年4月に設立された政府間組織で、生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し科学と政策のつながりを強化する役割を担うことから、気候変動分野のIPCCになぞらえて「生物多様性版IPCC」と呼ばれることがある。
出典: 環境省「IPBES第6回総会の開催について」 https://www.env.go.jp/press/105191.html
問9
環境省が説明する「ネイチャーポジティブ」の定義として正しいものはどれか。
正解: A. 生物多様性の損失を止めて回復に向かわせること
環境省は「ネイチャーポジティブ」を「生物多様性の負(損失)の流れを止めて正(回復)に反転させること」と定義し、2030年までに損失を止めて反転させ、2050年には自然と共生する社会の実現を目指すとしている。
出典: 環境省「ネイチャーポジティブ」 https://policies.env.go.jp/nature/nature-positive/
問10
林野庁が説明する「森林の有する多面的機能」に含まれないものはどれか。
正解: D. 為替レートを安定させる金融調整機能
林野庁は森林の多面的機能として、生物多様性保全、地球環境保全(CO2吸収)、土砂災害防止・土壌保全、水源涵養、快適環境形成、保健・レクリエーション、文化機能、物質生産(木材等の供給)の8機能を挙げているが、為替レートの調整といった金融機能は含まれない。
出典: 林野庁「森林の有する多面的機能」 https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/
問11
「バーチャルウォーター(仮想水)」の説明として正しいものはどれか。
正解: E. 食料を輸入する国が、その輸入食料を自国で生産すると仮定した場合に必要となる水の量を推定した概念
バーチャルウォーター(仮想水)とは、食料を輸入する国が、その輸入食料を自国で生産すると仮定した場合に必要となる水の量を推定した概念で、ロンドン大学のアンソニー・アラン名誉教授が提唱した。日本はカロリーベース食料自給率が約4割にとどまり、食料輸入を通じて海外の水に依存しているとされる。
出典: 環境省「バーチャルウォーター」 https://www.env.go.jp/water/virtual_water/
問12
2019年6月のG20大阪サミットで日本が提案し共有された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の内容として正しいものはどれか。
正解: C. 2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す
大阪ブルー・オーシャン・ビジョンは、2019年6月のG20大阪サミットで日本が提案し共有された、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す共通ビジョンで、その後多くの国と地域がこのビジョンを共有している。
出典: 環境省「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」 https://www.env.go.jp/water/post_75.html
問13
海洋プラスチックごみ問題における「マイクロプラスチック」の一般的な説明として最も適切なものはどれか。
正解: A. 紫外線や波の力等で細かく砕けた、直径5ミリメートル以下の微細なプラスチック粒子
マイクロプラスチックは、紫外線や波の作用等でプラスチックごみが細かく砕けて生じる、一般に直径5ミリメートル以下の微細なプラスチック粒子で、海洋生態系への影響が国際的に懸念されており、G20大阪サミットの大阪ブルー・オーシャン・ビジョン等の海洋プラスチックごみ対策の対象となっている。
出典: 環境省「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」 https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r02/html/hj20010103.html
問14
2023年3月に閣議決定された日本の「生物多様性国家戦略2023-2030」の説明として正しいものはどれか。
正解: E. 昆明・モントリオール生物多様性枠組を踏まえ、2030年のネイチャーポジティブの実現を目指す日本の国家戦略
生物多様性国家戦略2023-2030は、2022年のCOP15で採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組を踏まえ、2023年3月31日に閣議決定された日本の国家戦略で、2030年のネイチャーポジティブの実現を目指し、生態系の健全性の回復など5つの基本戦略のもとに具体的な行動目標を定めている。
出典: 環境省「第六次戦略「生物多様性国家戦略2023-2030」」 https://www.env.go.jp/nature/biodiversity/initiatives6.html